炎上の発端は?

このページでは、唐澤貴洋弁護士がなぜ炎上したのか、その最初のきっかけを見ていきます。

始まりは、2012年。

インターネット掲示板2ちゃんねるの「なんでも実況J」板に、「八神太一」と名乗るコテハンがいました。

コテハンとは、「固定ハンドルネーム」の略称で、一般に匿名で書き込む2ちゃんねる等であえて特定の名前を名乗って書き込むユーザーのことです。
八神太一は、コテハンとして活動していた3年間、毎日のように攻撃的・差別的・挑発的発言を繰り返し、犯罪自慢・虚言・度を越えた自己顕示によって他のユーザーに不快な思いを与え続けていました。


そんなある日、2012年3月のことです。
当時高校3年生だった八神は、大学にも無事合格し、高校生活最後の春休みを過ごしていました。

いつもの調子で大学に受かったことを自慢する八神。しかし、周囲の視線は冷ややかでした。

「レベルの高い大学に受かったというのは、どうせいつもの嘘だろう」という趣旨の発言が八神太一に向けられます。

 

その発言に腹を立てた八神太一は、あろうことか、大学の合格証書を自ら公開してしまいます。

これがすべての始まりでした。

 

合格証書のデザインから、八神太一の合格した大学名がすぐに判明。

これをきっかけとして、彼の過去3年間の書き込みや、彼がmixi・Twitterなどで公開していた情報が次々に結び付けられ、また最終的には自ら開き直って認めたことで、「本名」、「およその住所」、「交友関係」、「出身校」、「合格大学」、その他あらゆる個人情報が特定されてしまったのでした。

 

以下、当サイトでは「八神太一」を名乗っていた千葉県の高校生ユーザーを「H君」と呼称します。

弁護士唐澤貴洋、登場

八神太一ことH君の、3年間の書き込みの内容は酷いものでした。

多くの掲示板ユーザーが不快な思いをさせられ、H君に怒りや恨みを覚えておりましたので、個人特定を引き金に熱い逆襲が始まってしまいました。

H君の本名や、彼が自ら公開していた顔写真はあちこちのスレに晒され、さらに「チンフェ(チンコみたいな顔)」、「未成年飲酒自慢の犯罪者」などの誹謗中傷が殺到しました。

これらは八神太一が活動していた「なんでも実況J板」だけでなく、大学生が多く集まる「大学生活板」や「大学学部・研究板」にも書き込まれ、H君は大学入学前から一躍有名人になってしまいます。

 

さて、この状況に狼狽したH君は、「弁護士を呼んでくるから覚悟しろ」という趣旨の発言を書き込み、「インターネットに強い弁護士」を自称していた唐澤貴洋弁護士に助けを求めることになります。

 

依頼を受けた唐澤弁護士は、2ちゃんねるに対し書き込みの「削除申請」をし、同時にH君の本名や顔写真、個人情報を書き込んでいた掲示板ユーザーの「IP開示請求」を行いはじめました。

驚いたのは掲示板ユーザー達です。H君への積もり積もった悪感情をやりたい放題発散していたところ、なんと弁護士の先生まで出てくる事態になってしまったのです。

この前代未聞の状況に、掲示板ユーザー達は大いに恐怖し、動揺します。訴えられてしまうのではないか、刑務所に入れられるのか、慰謝料を請求されるのでは…と。

 

当時の掲示板のログを見てみると、少なくともこの時点で唐澤弁護士に「逆恨み」の攻撃をするような無思慮で無鉄砲なユーザーは、まず居ませんでした。

あくまでも攻撃の対象はH君であり、時折唐澤弁護士が話題に上がる際も、「唐澤さん」「唐澤先生」「唐澤ニキ(兄貴の意)」などと呼ばれ、普通のいち弁護士として扱われていたことがわかります。

IP開示に実害はない

さて、一般にネット掲示板で誹謗中傷を受けた者が書き込み者を訴えようとした場合、「掲示板運営者に書き込み者のIPを開示請求する」、「プロバイダにIPと紐付いている書き込み者の住所氏名を開示請求する」、「書き込み者本人に慰謝料を請求する」という3つの段階が必要になります。

この時点では、H君の依頼を受けた唐澤弁護士により、まずは第1段階の「IP開示」が行われたことになります。

 

この後どうなるのか、掲示板のユーザー間で議論が進むうち、「第1段階のIP開示自体には、ほとんど実害はない。そして第3段階の慰謝料請求まで持っていくのは、時間やコストが掛かりすぎて現実的には困難」という論調が多数を占めていきます。

さらには、「もとを質せば、H君が自分から公開していた情報がほとんどではないか」、「H君は過去に『自分を特定して追い込んでみろ』と挑発し、個人情報の公開を許可していた。仮にH君が本当に裁判を起こし、H君が勝訴してもせいぜい数万円程度の慰謝料しか取れないのでは」という意見も出てきます。

 

こうして、「IP開示、恐るるに足らず」と自信をつけてしまった掲示板ユーザー達は、元のようにH君への攻撃を再開することとなります。それどころか、「自業自得で炎上した掲示板荒らしの分際で、被害者ヅラして弁護士に泣きつくとはどういうことだ」とばかりに、弁護士への依頼が裏目に出て攻撃がより強まった側面もあります。

唐澤弁護士の業務実態がバレ、馬鹿にされる

一方その頃、掲示板ユーザー達の興味は少しずつ弁護士唐澤貴洋にも向いていくようになりました。
そこで、弁護士唐澤貴洋や、彼が開設していた恒心綜合法律事務所のホームページ、Twitterなどが調べられていくうちに、以下のような事実が次々と明るみに出ていくのでした。

 
●スパムブログ(中身のない広告用のブログを乱立)、スパムツイート(Twitterに延々と宣伝文句を書き込む)など、非常識で迷惑な宣伝をしていること

 

●法律事務所の公式Twitterアカウントで、不自然なほど多数の「アイドル」をフォローしており、それを指摘された直後に鍵付きアカウントに変えて逃げたこと


●弁護士どころか社会人としての資質すら問われるような、あまりに多すぎる誤字・脱字

 

●「ITに強い弁護士」と称しながら、2ちゃんねるへのIP開示請求の方法すら知らず、騒動前から批判されていたこと

 

●即独に近い経歴(弁護士資格を得てすぐ開業=実務経験がなく能力に疑問)、父親の会計士事務所と同居(家賃を親に出させている、自立できない半人前とみなされた)

 

●「誹謗中傷問題の解決」を謳いながら、問題解決にはほとんど効果のない「IP開示」だけで高額な着手金を要求するビジネスモデルが、ぼったくり・詐欺紛いと非難された

 

はじめは弁護士先生の威光におののいていた掲示板ユーザーでしたが、このような唐澤弁護士の職務上の不手際、非常識な言動が明らかになるにつれ、次第にその空気が変わっていきます。

「頼りない」「適当」などと唐澤貴洋弁護士を批判する書き込みが目立ち始め、さらには「ロリコン」「ドルオタ」「無能弁護士」「親のすねかじり虫」などと唐澤貴洋弁護士を茶化し、からかう書き込みも増えていきました。

まとめ

●3年間にわたりネット上で悪質な書き込みを繰り返していたH君が、合格証を晒したことや、普段から自分の情報をペラペラ喋っていたこと、最終的に開き直って自ら認めたこともあり、個人情報が特定されてしまう。

●本名、合格大学、未成年飲酒自慢の書き込み等を拡散され、困ったH君は「ネットに強い弁護士」唐澤貴洋弁護士に依頼し、鎮火を試みる。しかし、唐澤弁護士の行った「IP開示」には実害がないという論調が広まり、沈静化に失敗。

●唐澤弁護士について調べるうち、彼の杜撰な仕事ぶりや非常識な言動が次々に明らかになり、唐澤貴洋も茶化し・からかいの対象となっていく。

次章では

ここまでで、唐澤貴洋弁護士が注目されるに至ったそもそもの原因はおわかりかと思います。

しかし、たったこれだけのことで、その後数年間にわたり膨大な誹謗中傷・営業妨害を受け続けることになるのでしょうか?

次章では、炎上がさらに拡大する原因となった唐澤貴洋弁護士の行動について検証いたします。

次章:炎上は拡大し続ける